2013年1月25日金曜日

シンガポール陥落の夜

以下、戦時中、当時の小学校 国語の教科書より。
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シンガポール陥落の夜

この夜、
満州国皇帝陛下は、
大本営の歴史的な発表を聞き召し、
やおら御起立、
御用掛吉岡少将に、
「吉岡、おまへもいっしょに、
日本の宮城を遥拝しよう。」
と仰せられ、
うやうやしく最敬禮をあそばされた。
御目には、
御感涙の光るのさへ拝せられた。
更に、皇帝陛下は南方へ向かはせられ、
皇軍の将兵、戦没の勇姿に、
しばし祈念を捧げたまうた。

深夜を過ぎて、
お電話があり、
吉岡少将がふたたび参進すると、
「吉岡、今夜、おまへはねられるか。
今、日本皇室に対し奉り、
慶祝の親電を、
書き終わったところである。
あす朝早く、
打電の手続きをしてもらひたい。」
と、陛下は仰せられた。
この夜、
陛下のお休みになったのは、
午前二時とうけたまはる。
あけて二月十六日、
寒風はだへをさす満州のあした。
皇帝陛下は、
建国神廟に御参進、
天照大神の大前に、
御心ゆくまで御拝をあそばされた。

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