2012年2月18日土曜日

戦争時の「修身」試験問題(昭和19年 5年生)


 〇日本は昔から礼儀の正しい国だと申されてゐます。あなたの実行してゐる食事の礼法を書きなさい。

 1-姿勢を正しくしてたべる
 2-感げきしてたべる
 3-食器をていねいにあつかふ
 4-にこにこしてたべる
 5-あとかたずけをよくする

〇 久田船長の人々をして涙を流させた点はどんな所ですか

 1-舟と運命を共にするのが船長の義務だ お前たちは一人でも多く脱出しなさい という所です

〇橘中佐にしても加藤少将にしても 軍神と呼ばれる当然の理由はどこにあるのですか

 1-小さい時から無口で意志が強く 平生のおこなひがりっぱであり 父母兄姉のおしへをよく守って 軍に出てからもてがらがあったからです

〇勝安芳のえらい点をあげなさい

 1-意志の強いふんとうどりょくの人であること 血をしぼり骨をけづってじしょをうつした点がえらいと思ひます

 2-わずか2百トン足らずの舟でよくもあの波の荒い大平洋を乗りきってアメリカにわたったことです

〇神鷲精神について あなたはどんな所にこの精神を生かしてゐますか

 1-よく勉強し 寒さやあつさに勝って 大きくなって必ず米英をうちたほし あくまでも日本を守るといふ精神です

註:[大きくなって、必ず米英を打ち倒し、あくまでも日本を守るという精神です。]

 この解答の中で、本来なら「守る」のではなく「攻める」気持ちを込めて「勝利に導く」という意味の言葉があってよい筈です。

然し、すでに子供の気持ちの中でも「負ける」とは云わないまでも「守る」との受け身の気持ちが優先していたと思いました。

(神鷲とは特攻隊の別名です)


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 以下は.メールでお受けした感想文です。

 突然のEメールで失礼します。 

 ホームページを興味深く拝見させていただきました。

 特に「終戦前後2年間の記録」や「大日本帝国時代の教育」のサイトは、戦後生まれの私にとっては決して知ることの出来ない当時の雰囲気を感じることが出来ました。

 中でも、「当時の「修身」の試験問題と解答(昭和19年 5年生)」の記録は、戦中の教育の場において、実際にどのような内容が教えられ、どのような精神が求められていたかを知ることができる非常に貴重な資料であるように思います。「神鷲精神について・・・」の問題に対して------

既に外敵に対する攻撃精神ではなく、国土に迫る侵略者に対しての防御精神から、「あくまでも日本を守る」と解答した当時の時代状況は非常に興味深いものがありました。    

----(以下 途中省略)----
 ホームページを維持していくことは大変だとは思いますが、これからも頑張って下さい。 長文、乱筆失礼しました。   -------(或るビジターからの感想)-----

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 以上、前にも載せた記憶もあるのですが、それはそれとして、改めてご覧下さい。

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