2012年2月21日火曜日

内裏様の雛飾り


 

 

 男性 女性 の並び方には古来より、天子(男性)は向かって 右、皇后(女性)は 左 との約束ごとがありました。
 その並び方でないと、万が一の場合 男性は左腰に差した太刀を抜いて女性を守れないからです。


 又 天子南面(南を向いて立つ)となると男性は その向きで東側となり日の出る方向。

女性は西側、日の沈む方向に立つとなります----これは女性には すべてを最後まで見届ける役目がある -------

そんな謂れ からでした。

 これらは大体が中国思想から受け継がれて来たのだと思われますね。

    
 この考えは、雛飾りの方式から日常での所作に至るまで シモジモに徹底して実行されて来た筈です。
 例えば、向かって右側に男性が立って カサをさして 女性と一緒に歩かないと、男性は利き腕が使えませんね。

 -------- そんな日常的な理由もあったと思いますよ。
 (男性が左では 相合い傘での場合 男性は左手でカサを持つので不安定ですよ----)
            
 又、昔話の絵などでの重要場面では、常に、その方式が採られているのが分ります。

絵は「一寸法師」と「桃太郎」ですが、 男性 女性は 右と左 に方式?通りに座っていますよね。
 一般家庭でもダンナとカミさんの並び方は、本来なら客人から見て、右が ダンナ、左が カミさん です。

 これを基本にして座敷から見た庭, 廊下の配置, 更に台所の構造等を考える事が出来たのだと思います。

                
 この古来より理に適った並び方に 変更が加えられたのは 西洋にこだわった明治天皇の指示からでした。

西欧では並び方が逆なのです。

西欧には西欧なりの理由があったのでしょうが、明治天皇は おかまいなしに右倣えを命じたのでした。
 以後、お雛様を始め、皇室行事等々、あらゆる場面での男女の並び方が西欧方式になってしまったのです。


 ただ お雛様での内裏様の並び方については 今でも明治以前の姿をそのまま保持しているケースもあります。

それは古い家などに多いですね。

 そうある現実には、生活の上で、その方が理に適っているとの基盤があったればこその結果なのでしょう。
       
 写真は昔のスタイルを絶対に変えないお雛様で、酒田市(山形県)にある本間家の雛飾り。

現物は多分 江戸時代のものでしょう。              

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