2010年12月12日日曜日

東条大将自決未遂

 

 

 

 この自殺未遂に対する国内の反応は冷ややかでした。
 高見順は「敗戦日記」のなかに、次のように記しています。
 「期するところがあって今まで自決しなかったのならば、なぜ忍び難きを忍んで連行されなかったのだろう。(中略)生きていたくらいなら裁判に立って所信を述べるべきだ。

 また山田風太郎も「戦中派不戦日記」のなかに、「なぜ東条大将は阿南陸相のごとくいさぎよく死ななかったのか。(中略)逮捕状が出ることは明白なのに、今までみれんげに生きていて、外国人のようにピストルを使って、そして死に損なっている。日本人は苦い笑いを浮かべずにいられない」と書いています。

 東条大将は腹の皮を思い切って引っぱり上げ、その横からピストルで穴を開けただけであった---この説が私共のまわりで言いふらされていたウワサでした。

 以上は私の「----切り抜き帳」から。

 いずれにせよ、東京裁判では死刑の判決を受け、彼はそのまま消滅しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿