“ ~~ おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に...”
桃太郎の話は ここから始まりますが、これは「父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し...」この教えに基づいている----とは よくお聞きになると思いますが?・・・・。
桃太郎の話は そのように 説話的 道徳的観点から論じられているケースが多いようです。
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但し、今回の話は、それとは別の次元での話になります。
桃太郎の話は単なるお伽話とは云っても その中には いろんな意味が隠されているのですよ。
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まず・・・
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桃太郎はキビダンゴを持っているので、住んでいた場所は 吉備の国 現在の岡山県である事が判ります。それがあって、岡山駅前には桃太郎の立派な銅像がありましたね。
(キビの文字は「黍」が正しいのですが ここでは詳しい説明は省略。)
桃太郎は、そこを起点にして、鬼退治に向かうわけですが、目的地は 鬼が住んでいる北東方面、十二支で云う「鬼門」方角でした。
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十二支では ご存じの通り、時計回りで12時 子(ね)を起点として、右まわりに 次は 丑(うし) 寅(とら)---- と続きます。
その刻みを方角に置き換えると、丑(うし) 寅(とら)は 北東の方角となります。 そのあたりの方向が 鬼門 です。北風が吹いて来る寒い方向ですよ。不吉で悪い方向ともされていますね。
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鬼は当然ながら その不吉で悪い鬼門の方角に住んでいるのです。
鬼達はいずれも、丑(うし)寅(とら)の住人、従って、文字通り「牛」のツノを生やして「虎」の模様のフンドシをしめています。----理屈に合っていますよね。
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一方、十二支で 、鬼門の反対に位置する めでたい方角は 暖かくて明るい東南の方向です。そこには 狗(いぬ) 申(さる)酉(とり)が位置しています。
桃太郎は、これも当然ながらそれに由来する 犬 と 猿 と 鳥(キジ)を連れて行ったのですよ。これも理屈に合っているのが判るでしょう。
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岡山から鬼門、つまり北東方面となると どこが該当するのか はっきり判りませんが、ひとつ確かな事は、山陰地方一帯に、当時から、金、銀、鉄、等の鉱山資源が豊富に産出していた事実があります。従って、鬼達はそこに従事していた鉱山労務者、と考えてよろしいでしょうね。(山陰地方には現在でもたくさんの鉱工業の工場があります。)
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彼等は各種溶鉱炉の高熱のもとで 昼夜 働いていたので、夜目には真っ赤な姿に見えたと思いますよ。鬼の大多数が赤鬼であった理由はそこにあります。
但し、中には赤のみならず 青鬼 やら 黒鬼 等もいたと思いますが、いずれもその場の状況で いろんな色に見えたでしょう。但し、ピンクと空色の水玉模様、花をあしらったカラフル模様 とかの鬼はいた筈はありませんね。
その延長線で考えてみると、現在、山陰地方の民謡「どじょう掬い」でオッチャンが ザル を持って安来節を歌っている光景を目にしますが、あれは ドジョウ ではなく川で砂金を採取していたと考えるべきでしょうか。多分 その方が正しいでしょうね。
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----- それにしても、彼等が何故 鬼 と呼ばれ 極悪人とされていたのか。
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当時は天照大神(あまてらすおおのかみ)を先祖とする伊勢神宮が最大勢力だった反面、大国主命(おおくにぬしのみこと)を先祖とする出雲大社は、それに対抗する地方勢力の一大拠点でした。両者は覇権を争っていたのです。
. 因に、神社にお参りする時の 参拝の仕方 は両神社では現在でも違っていると聞きます。どんな風に違っているのか詳しくは知りませんが、頭に頂いている神様が違うのですから 両者には争いも当然ながら発生したでしょう。
伊勢神宮派?の桃太郎が 出雲大社派の鉱山労務者を「敵 」と見た---としても不思議ではありません。
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桃太郎の本では、鬼退治によって最後は伊勢神宮派の勝利で決着しています。
桃太郎 が獲得した戦利品は 金銀珊瑚綾錦(きんぎんさんごあやにしき)でした。
金銀は判るとして珊瑚綾錦の中の珊瑚(さんご)が お宝として何故重宝されたのかちょっと不明です。
見た目がきれいだったからか、その他の薬用とかで貴重なモノだったのか、理由はあったのでしょうが正確には判りません。
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