2010年6月20日日曜日

この人を見よ!


“この人を見よ”-------この文言で、ある日の新聞(毎日新聞)に大きな写真が載ったのを憶えています。
それは多分、敗戦の色濃くなった昭和20年の春頃だったのでしょうか。
 その新聞を見て、ぐっと頷いた日本人も多かった筈です。何よりの証拠に当時子供だった この私ですら憶えているくらいですから。(唯、残念ながら切り抜きは残しませんでしたが。)
 載せた写真は雰囲気としてはそれと似ていますが、それがそうだったのか私の方では確かめるスベはありませんが。

 振り返って----------
 山下奉文大将とパーシバル大将のブキテマ高地における歴史的な 城下の誓い。
 イエスかノウかで詰め寄った山下大将の敵に対する文言で有名になりましたね。
 冒頭の、“この人を見よ” ---------その時の、新聞に載った彼の顔写真は、この事実があっての事だったのでしょう。
その場面を描いた宮本三郎画伯も有名になりました。
腕を横にして詰め寄ったサマが この場の雰囲気を物語っています。

当時の日本人の誰もが この戦争、勝った勝った、と有頂天になったのも当然でしたね。

 それにしても---------
 戦争が終わったのちの東京裁判で、彼には冷酷なる死刑の判決が下されました

 写真は刑場に赴く彼、その顔は ご覧の通り絶望の表情-------そのままの顔でした。

 ただ、この時の新聞には、ついぞ「この人を見よ」との文言は当然ながら書き添えてはありませんでした。

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