2010年10月5日火曜日

ガダルカナルの戦から「粥」

 
 
    粥
ここにして、これあり
これぞ、この米のかゆ
はろばろと数千里
よよ あし原みずほの国のみたからだ
一と年(ひととせ)を汗にまみれて
磨き上げたる 真珠宝石
わだつみの逆巻く潮を
のりきりて
いのちに代えて海軍さんの
護り来(こ)し神のたまもの
敵機の下をころびて
雨なすたまの中はひつ
汲みたる水を、飯盒(はんごう)にいれ
爆撃ごとに火を消して
去りては又焚きつけ
つとめて煙出さぬごとく
ねじり鉢巻してたき上げたる
この味は二つなし
いささかの塩っぱい海水に
とぎしたの(一字不明)も
(わが涙までまじりしならじ)
いざ食らえ
わが戦友(とも)よ
食はで死にし
わが戦友(とも)よ
これぞこの米の粥(かゆ)ぞ
 -----吉田嘉七------

 ※これを先生が黒板に書き連ね、それを私共が書き写している間は、教室にはしわぶき(咳)ひとつありませんでしたね。
 こんな詩を知っていた私共が 現在に至ってインパール作戦の失敗を知って忿怒の相を あらわにしたところで当然ですよ。

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