2011年2月10日木曜日

シンガポール陥落と志賀直哉


 

 

 

 
 読売新聞 昭和17年2月16日

 この日に志賀直哉が書いた文が以下。

「日米会談で遠い所を飛行機で急行した来栖大使の到着を待たず、大統領が七面鳥を喰いに田舎に出かけると言う記事を読み、その無礼に業を煮やしたのはつい此間の事だ。日米戦わば一時間以内に宣戦を布告するだろうというチャーチルの威嚇的宣言に腹を立てたのもつい此間の事だった。それが僅かの間に今日の有様になった。世界で一人でも此の通りを予言した者があっただろうか。人智を超えた歴史の此の急転回は実に古今未曾有の事である。」と。

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